Pure light is all colors
純粋な光はすべての色
ゆえになんの色もない
一つなるものが散り散りになって
はじめて色があらわれる
純粋な太陽の光が降りそそぐのを見ると、そのあまりにまぶしく純粋な輝きに、
なんの色も形も見分けることができません。
でも光がトンボの薄い羽にあたったり、霧雨をてらしだしたり、肌をてらしたりすると、
光は屈折して何万もの細かい虹になります。
世界が色であふれているのは、あらゆるものの表面なり質感が、
光を無数の重なり合う線へと屈折させるからです。
同じことがタオにも言えます。
純粋なタオは、すべてを宿しています。
したがって、なにも見えません。
純粋な光がすべての色をもちながら、なんの色も見せないように、
すべての存在は、タオのなかにかくれ、なんの区別もありません。
タオはこの世界に入ってはじめて、無数のものに分かれます。
すべてのものが存在するのは、タオのおかげだと言います。
でも本当は、すべてのものは偉大なるタオの屈折でしかないのです。
色のある光をまぜあわせると、また純粋なまぶしい光にもどります。
だから、タオの道をゆく者はいつも「還る」という言葉を口にするのです。
人生のあらゆる分野を統合し、あらゆる区別を一つに統合します。
一つになったら、そこに差異はありえません。
意識が真のタオにもどると、輝かしさがあるだけで、すべての色は消え去ります。
~Deng Ming Dao
365 TAO
ISBN-10: 0062502239